2020年03月27日

引退ドキュメント-17

40年前の3月27日(木)
この日発売の「週刊女性セブン」(80年4月10日号)には『山口百恵 80億円稼ぎだす大計画の中身!』
との見出しで引退までの200日で80億円を稼ぐだろうと、引退興行の予定と試算を掲載している。
ホリプロと東宝へのインタビューが興味深い。

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抜粋すると。

引退まであと200日あまりになったが、山口百恵のこれからのスケジュールについて、ホリプロダクションの守屋邦彦宣伝部長はこう語る。
「まず4月、5月は平常通りのスケジュールで土曜、日曜は公演がはいっています。6月と7月は、映画の撮影にあてています。従来の百恵主演映画は、お正月(12月下旬公開)とお盆(7月下旬公開)でしたが、今回はそれとは大きく違うものになる予定です。まだなにをやるかは決定していませんが、あくまでも百恵の“引退記念映画”ということに主眼をおきます。
記念映画の上映時間は少なくとも2時間30分以上になる大作で、公開時期は秋、つまり百恵の引退時期の10月になります。そのために2か月間のスケジュールを映画のためにとったわけです。この製作発表は5月の初めにします」
「8月は上旬にテレビドラマを予定してます。1時間30分のワクでやりたいですね。
8月の下旬は、恒例になっている『百恵ちゃん祭り』があります。今年は4日間ほどになるでしょう。
というのはその間にLP制作をするんです。記念LPは5枚組になる予定ですが、それにあてる時間もかなり必要なわけです。
9月にはいると、全国縦断の、さよならコンサートがはじまるんですが、いまのところ札幌、福岡、名古屋、大阪、東京の5大都市で5日間、計10回が決定しています
そのほか『百恵ちゃん祭り』でライブレコード、さよならコンサートをフィルムに収めて、映画にすることも予定され、また記念映画のサウンドトラック盤も検討中です。
あとは、5月と秋に出版される写真集があります。
まあ、こんなところが引退までの百恵の全スケジュールですが、これから百恵のイベントにはキャッチコピーとして“ラブ百恵”というタイトルがつくことになっています」

引退記念映画は結局年末、翌年のお正月映画になった。
ドラマは各局で何本か作られ、最後に放送された“赤いシリーズ”の最終ドラマは前後篇の2時間ドラマとなった。
レコードでは5枚組の記念LPには新録も入れる案があったのがわかる。
確かに同じCBS・ソニーのキャンディーズの解散時の5枚組記念LPは、ベストが3枚、新録洋楽カヴァーが1枚、新録オリジナルが1枚という内容だった。
百恵の5枚組(「百恵伝説-Star Legend-」)は結局デビューから「ロックンロール・ウィドウ」までのオリジナルのベストとなったが、新録が1枚入ったらこれは特別なメモリアルになったはずだ。

随分驚いたのが「5大都市で5日間、計10回が決定しています
の所と、「さよならコンサートをフィルムに収めて、映画にすることも予定され」の所。
さよならコンサートは結局5大都市で行われたが、当初は5日間で計10回の計画だったのか?
となるといつもの地方公演と同じで昼、夜二回公演を予定していたという事になると思う。
最後のコンサートがそんな商業ベースで考えられていたとは・・
これはそうならなくて本当によかった。
また映画にする考えがあったのにも驚いた。
引退記念映画の上に、引退コンサートの映画とは。
しかしこれは実現して欲しかった計画だ。
引退コンサートは翌月ビデオテープで、抜粋編集版89分(25,000円)で発売されたが、当時はまだまだビデオデッキは普及されていなかった。テープも25,000円とは高価すぎる。(当時の大卒初任給 114、500円)
これが映画で大きなスクリーンで再現されたら、全国のファンたちの一番のメモリアルになったと思う。

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さらに記事は続く。

東宝の林醇一宣伝部長はこういう。
「来年から、1作あたり10億円を稼ぐ唯一の安定路線がなくなってしまうのは、ほんとうにつらいですね。
山口百恵の引退記念作品では、いままでの2回分、配収で20億円、少なくても15億円を狙いたいです」
「本来は、もう作品を決定していなければいけないんですが、遅れていて申しわけなく思っているところです。
百恵の花道を飾る作品ということで、それなりに考えているんですが、これだと思うものは他社が映画化権をもっていたりして、なかなか決まらないんです。百恵・友和のコンビにするかどうかも白紙です。あくまでも作品しだいということですね。コンビにこだわっていると、企画の幅がせばまってしまいます。
当初『五番町夕霧楼』はどうかと考えていたんですが、松坂慶子主演で松竹さんが制作することになってしまいまして、ふりだしにもどってしまったわけです。
いずれにしろ、百恵の最後の映画ですから、より多くの人に見ていただきたいし、それに応える作品を全力でつくらなければいけないと考えています」

引退記念映画は結局それまでの東宝、ホリプロ提携作品ではなく、ホリプロ一社の制作、東宝配給となったが、東宝側のインタビューで「五番町夕霧楼」が候補だったとは、サスガ東宝だ。
映画会社らしい大作を考えていてくれたのだ。
遊郭に売られた女性の物語で、これは百恵で観てみたかった。
しかし引退記念となるとどうなのか。「古都」に落ち着いたのはよかったのかもしれない。
「五番町夕霧楼」はその前にやっておくべきだった。
百恵の映画出演はホリプロが守りすぎて大作には出演出来なかったのが本当に残念だが、最後の映画ではホリプロは良い仕事をしたと個人的には思う。
posted by kayochronicle at 23:00| Comment(2) | 引退ドキュメント
この記事へのコメント
確かに興味深いインタビューです。
実際との違いはさておき、よくぞここまで踏み込んで話したなぁとも思えます。
Posted by NM-World(のぶくん) at 2020年05月06日 08:23
「さよならコンサート」の映画化、
札幌、名古屋、大阪、福岡の公演も混ぜて
ドキュメンタリーのような映画が実現していたらよかったのに。。と思います。
Posted by kayochronicle at 2020年05月08日 04:59
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